戦争
リドリー・スコット監督による戦争映画の大作です。余計な人間ドラマを差し挟むことなく、モガディシュの戦闘という一つの戦闘作戦のみを詳細に描いた作品になっています。リドリー・スコット監督というと、エイリアンやブレードランナーなどSF映画で名を馳せた監督ですが、ブラック・レインや>テルマ&ルイーズ、グラディエーターやハンニバルといった様々なジャンルを手がけており、この作品はGIジェーンに続く戦争映画の第二弾となります。
さすがに有名な監督だけにとても秀逸な作品です。戦闘シーンが多いので撮影にはかなりの時間とお金がかかっただろうと思いますが、手抜きは一切なし、細部にもとことんまで拘って作っているのがはっきりと見てとれます。最近は撮影やCGの技術が進歩してきたためか、戦争映画もかなりリアルになってきていますが、この作品はこれまでに登場した戦争映画の総決算という感すらあります。
つい最近、イラク戦争が勃発して、日本の自衛隊まで出動するという事態になったり、北朝鮮が核開発をしたりと、我々日本人も戦争とは全く無縁の民族ではないということを感じさせられる今日この頃ですが、この映画で行われた戦闘作戦も1993年に行われたことなのだと思うと、やはり我々とそんなに縁の遠い話ではないと思い知らされます。それだけに、映画の中で当然のように銃をとって戦うソマリアの人々の姿は、見ていてとても恐ろしく、悲しいものがありました。日本では一人が殺されれば、それだけでマスコミが大騒ぎしますが、サマリアではたった一日に大量の人たちが当然のように次々と殺されていくのです。そして、自分の身を守るために、一般市民が兵士たちに銃を向けたりするのです。もちろん彼らを殺すアメリカの兵士たちも、別に殺したくて殺しているわけではない。兵士の一人は、仲間を守るために戦っているのだと語っていましたが、そうとでも結論づけなれば納得のいかないようなやるせない現実がそこにはあるのでしょう。
我々のような戦争を知らない世代は、映画を見たり本を読んだりするしか戦争の恐ろしさを知る術はありません。ですから、戦争をしてはいけない、戦争を起こしてはならないということを知らせるためにも、映画製作者はこのような映画をどんどん世に送り出してほしいものだと思いました。もっとも、映画で受けたショックと実際の戦場で受けるショックには何十倍、何百倍もの差があるでしょうが、その恐ろしさの一部分でも体験できれば、自分や家族、あるいは恋人や友達をこんな悲惨な目に遭わせたくないという思いが一人一人の心の中に生まれ、将来の平和へと繋がっていくのではないでしょうか。
ブラックホーク・ダウンスペシャル・エクステンデッド・カット 完全版
リドリー・スコットは、恐らく全作品観てます。ブラック・ホーク・ダウン観たいです。
またゆっくり読ませてもらいます。怪人と言っても決して怪しい者ではありません(笑い)ただの映画好きです・・・
怪人純平

