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SF

スティーブン・スピルバーグ監督によるSF大作映画です。この作品は興行的には成功を収めたものの、評論家からの評価はかなり厳しいものとなったようです。正直なところ、ぼくもこの作品は頂けませんでした。公開直前に大々的に宣伝されていたのと、原作がH・G・ウェルズの小説であるのとで興味を持って観たのですが、敢えてパニック映画的な要素を排除し、ドキュメントタッチに仕上げようとしたスピルバーグの意図がかえって不発に終わったような気がします。

スピルバーグといえば、エンターテイメント映画の巨匠であり、どうすれば観客を楽しませることができるのかを最も心得ている監督の一人だと思うのですが、今回の作品では敢えて自分のポリシーを排除して新たな感覚でこの映画を作っているような気がしました。どこまでもストーリーは暗く陰鬱で、普通ならもっとスリリングに描くだろうシーンも敢えてトーンを抑え、かなり地味な感じの映画に仕上げています。スピルバーグは9.11を意識してこの映画を作ったと公言しているそうで、多くの人々の命や人生が破壊されていく悲惨さを前面に出したかったのでしょうが、そればかりを協調しすぎる余り、かえって物語としての面白みに欠けてしまったように思われます。そのためぼくは、途中で何度も退屈になって眠気すら催してしまいました。スピルバーグにしてはとても珍しいことだと思います。

主役を演じたトム・クルーズもいまいちパッとせず、彼をこの作品にわざわざ起用した監督の意図もよく分かりませんでした。トム・クルーズのルックスは低階層の労働者役には不釣り合いですし、荒々しい性格の持ち主を演じることにも余り似合わない気がしました。いつものトム・クルーズらしくないトム・クルーズを押し出し、観客をあっと言わせるのが監督の狙いだったのかも知れませんが、残念ながら、その意図も不発に終わったとしか言いようがない気がします。

また、あっけない物語の終わり方にも納得がいきませんでした。原作通りに描いた結果こうなったわけですから、仕方がないといえば仕方がないのでしょうが、せっかく大金を使って映画を作るわけですから、原作とは違う形でもっともっと面白いストーリーに練り直すべきだったと思います。

このようないかにも娯楽作品だと思われる映画では、暗く陰惨な雰囲気を作り上げ、逆にシンドラーのリストプライベートライアンのような戦争映画ではお涙頂戴の映画を作る。こんなスピルバーグの意図がぼくにはよく理解できません。もっとも、スピルバーグ作品と名のつく映画のほとんどはスピルバーグ本人が制作にほとんどタッチしていないという噂もよく耳にしますので、この宇宙戦争もどこまでスピルバーグが製作に関わったのかはよく分かりません。ただ、彼のような大御所にはその名に相応しい秀逸な作品をもっともっと世に送り出しほしいものだと思います。

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シャーリーズ・セロン主演の近未来SF映画です。一応、カルト的な人気を誇ると言われているコミックの映画化作品だとのことで期待して見たのですが、正直なところ、ぼくの趣味には合わない映画でした。

先ず最初に違和感を感じたのが、シャーリーズ・セロンの演じるアクションシーンでした。少し前にマトリックスという映画が大流行しましたが、あの映画に出てくる俳優たちは何ヶ月にも渡って武術の指導を受け、アクションシーンも編集でごまかすことなく、ほとんどのシーンをワンカットで撮影していました。そのため、アクション・シーンにはかなりの迫力がありましたし、大きな話題にもなりました。一方、このイーオン・フラックスではほとんどのアクションシーンが編集でごまかされていますので、マトリックスで目が肥えてしまったぼくみたいな人間には、どこか物足りなく感じて仕方がありませんでした。こんなことなら、何もシャーリーズ・セロンではなく、誰か他にきちんとアクションシーンをこなせる人に主役を任せた方が良かったのではないでしょうか。

また、近未来を思わせるセットにも様々な場面で違和感を持ちました。近未来を舞台にした映画というのは、当然、未来を思わせるセットをデザインしなければならないわけですが、今現在では未来的に見えるデザインも、十年後、二十年後には古くさく感じられるということが多々あります。そのいい例がリドリー・スコット監督のブレード・ランナーです。この映画が公開された当時は、恐らくほとんどの人がこんな未来があってもおかしくないと思って観ていたに違いありませんが、今改めてこの映画を見てみると、この中に出てくるどのデザインも子供の落書きとしか思えない支離滅裂なものになってしまっています。したがって、このイーオン・フラックスで使われたデザインも、十年後、二十年後に改めて観たときには古くさく感じてしまう危険性が十分にあるわけですが、残念ながら、この映画の製作者たちがその点に十分に念を入れて作っているようには見受けられませんでした。

話の内容もいまひとつ腑に落ちないもので、DVDをレンタルして観るならまだしも、映画館で観た人はかなりがっかりさせられてしまったのではないでしょうか。ここまで厳しい批評を下すと救いようがなくなってしまいますが、こんな映画をわざわざ大金をかけて作る必要があったのだろうかというのが正直なぼくの感想でした。

それでも一応、この映画の中でたった一つだけぼくの目を惹いたものがあります。それは、全編のあちこちに散りばめられている洗練された映像です。多分、映画製作者たちもこの点にはかなりの力を入れていたのではないでしょうか。鮮やかな色使い、独特の光と影、そういったものがぼくの目を釘付けにして、映画を見終えた後もしばらくは頭の中から離れなかったぐらいです。

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イーオン・フラックス プレミアム・エディション


タイタニックで有名なジェームズ・キャメロン監督の海洋SF作品です。ジェームズ・キャメロンはもともと海洋生物学を専門としていたらしいので、まさにこの作品は自分の趣味を反映した映画だと言えるでしょう。

この映画の中で先ず目を見張るのは、その余りのリアリティでしょう。セットはどこまでも美しくリアルで、とてもセットとは思えないほどの完成度の高さです。SF好きの人間にはどこまでも視覚を楽しませてくれる素晴らしい作品になっているのではないかと思います。また、海中でのシーンは実際に巨大な水槽を作って水中で撮影しており、俳優たちはみんな命懸けで演技をしていたというエピソードもあります。しかし、それほど力を入れて作った作品であるにもかかわらず、観客からの受けは今ひとつだったようですが、ジェームズ・キャメロンが如何にしてタイタニックという名作を作り上げるに至ったのか、その成長過程を知る上では必見の映画ではないかと思います。

現在では映画の中でCGというものが当然の使われていますが、実を言うと、このアビスという映画は映画史上初めてCGが使われた映画です。恐らくジェームズ・キャメロンの完璧主義な性格が、映像のリアリティを高めるためにCGを導入することを余儀なくさせてしまったのでしょう。このように何から何までこだわり抜いて映画を作るジェームズ・キャメロンですが、彼には一つの弱点があると言われています。彼の映画に出演する俳優たちの中には、なかなか名演技を披露してくれる人が現れないのです。アカデミー賞を総嘗めしたタイタニックですら、主演賞や助演賞を受賞する人はいませんでした。

しかし、このことはジェームズ・キャメロン自身も自覚しているらしく、彼は次々と優れたSF作品を世に輩出しながらも、それらの作品の中に深い人間ドラマを盛り込もうと懸命に努力してきました。このアビスではその努力がやや不発に終わった感がありますが、その次の作品であるターミネーター2ではその努力がものの見事に結実し、単なるアクション映画を越えた深い人間ドラマが描かれていました。その後のトゥルー・ライズでもコミカルな作風ながら様々な興味深いキャラクターたちがとても個性豊かに描かれていました。その次作であるタイタニックに関しては言わずもがなでしょう。SFや特撮に興味のない人でも、タイタニックを観てその深い人間ドラマに感動した人は数え切れないほどいるのではないでしょうか。

ジェームズ・キャメロンタイタニックを制作した後、しばらく映画制作を休んでいましたが、2009年公開に向けてまた新しい作品を制作しているらしいので、今からとても待ち遠しい限りです。

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アビス 完全版


ロボコップトータルリコールで人気を博したポール・バーホーベン監督のSFアドベンチャー作品です。この監督はこの作品を作る前に、氷の微笑ショーガールといったSFとは関係のない作品を世に送り出したのですが、ショーガールがその年最低の映画を決めるラジー賞を受賞したせいか、再び本分であるSFに立ち戻りました。

一言で言うと、この作品はとても変わった映画だなと思いました。まるで漫画をそのまま映画にしたような荒唐無稽な話なのですが、CGが異様なまでにリアルなので、本格SFの大作を観ているような気分にもさせられるのです。ポール・バーホーベンはこの作品の後、インビジブルという透明人間の映画を撮っているのですが、この作品もまたCGが異様なまでにリアルなので、多分、この監督は視覚効果にとても拘りのある人なのだろうと思います。

この映画は子供向けのつまらない映画だと掃いて捨てることもできますし、逆にとても優れた娯楽作品だと言うこともできるでしょう。この映画が公開された当時、ニューズウィークでは単なる壮大な害虫退治の話だといって切り捨てられていましたが、まあ、そう言いたがる人の気持ちも分からなくもありません。しかしながら、映像にはとても迫力があるし、CGからセットから何から何まで徹底的にこだわりぬいて作っているので、視覚的にはとても楽しませてもらうことができました。

恐らくこの映画は、幼い頃にガンダムのようなSFアニメを観て楽しんだのと同じような感覚で楽しむような作品なのかも知れません。ですから、SFに興味のない人には何の面白みもない作品に映ってしまうと思いますし、逆にSFに少しでも興味のある人にはかなり楽しめる作品ではないでしょうか。また、CGや特撮に興味がある人にとっても大いに満足できる作品ではないかと思います。

ロボコップではうまくSFとヒューマンドラマが合体して、映画としてもSFとしても楽しめたのですが、このスターシップ・トルーパーズにはヒューマンドラマとしての要素が皆無に近いために、このような少し微妙な評価を下すしかないのだと思います。

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スターシップ・トゥルーパーズ


ぼくが最も贔屓にしている監督ジェームズ・キャメロンの作品です。ジェームズ・キャメロンといえばタイタニックで有名になりましたが、意外にタイタニックターミネーターが同じ監督の作品であることを知らない人は多いようです。

ぼくは確かにタイタニックも好きですが、どちらかというとジェームズ・キャメロンの作品の中ではターミネーター2が一番好きです。映像がとても現代的で恰好いいからです。この作品では特に青や赤の光が効果的に使われていて、それがこの作品にどこか神秘的な彩りを与えています。そのため、一般のアクション映画にあるような派手さが抑えられ、風格のある上品な人間ドラマを観ているような気分にさせられます。深刻な人間ドラマにスケールの大きなアクションシーンが満載されているという感じとでも言いましょうか。

ただ、この作品でぼくが一番目を惹いたのは、最初から最後まで一環して流れている緊張感です。普通、アクション映画には要所要所に緊張を高めるシーンが盛り込まれていますが、その緊張感は場面によって大きかったり小さかったりします。しかし、このターミネーター2に流れている緊張感は、最初から最後までほとんど途切れることなく、その大きさも絶えず一定なのです。大袈裟な音楽でバーンと観客を驚かせたり、下手な演出をして観客にショックを与えるようなことはしません。あくまで自然な形でドラマを見せていくという正攻法で観客に緊張を強いてくるのです。そのため、何度観てもこの映画は飽きがこない。何度観ても、同じような緊張感を体験できるのです。そのためぼくは、まだDVDがなくビデオしかなかった時代に、このターミネーター2を20回か30回は観てしまいました。

ただ、一つ残念なのは、レンタルビデオ店にはターミネーター2の公開版ではなく特別版のDVDしか置かれていないということです。多分、公開版は今ではどこの店にも置かれていないのではないでしょうか。実を言うと、この特別版はぼくの好きなこの緊張感がところどころ途切れてしまうのです。映画公開時に余計だと思われたシーンを幾つも挿入してしまったため、映画を少しちくはぐなものにしてしまっているのです。できれば、まだターミネーター2をまだ観ていない人、またもう一度観て観たいと思っている人には、特別版ではなくて公開版を観ていただきたいのですが、多分、レンタル店ではどこにも置かれていないでしょう。少なくともぼくは、どのレンタル店でも公開版のDVDを見かけたことがありません。

また、この作品の見所は随所に出てくるCGシーンです。当時はまだCGというものは一般に普及しておらず、当時としてはこのCGシーンはかなり画期的なものでした。このようなCGを映画に初めて取り入れたのも実はジェームズ・キャメロン監督で、彼がアビスという映画を制作したときに初めて映画でCGが使われたのです。

また、彼の作品はどれもセットがとてもリアルで、本当にこれがセットなのだろうかと目を疑うほど完成度が高いものばかりです。それがぼくがジェームズ・キャメロンを最も好む理由の一つでもあります。また、彼のカメラワークもとても素晴らしいと思います。特にこのターミネーター2は、じっくりとよく観てみると、カメラが静止しているシーンがほとんどありません。必ずカメラは右か左、あるいは上か下にゆっくりと動いています。それがまた<映画を観る者に心地よい緊張感を与えてくれているのではないかと思います。

ジェームズ・キャメロンの魅力を語っていると切りがありません。これ以上のことはまた別の機会に譲ることにしましょう。

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ターミネーター2


言わずと知れたSF映画の金字塔2001年宇宙の旅です。スタンリー・キューブリック監督はこの映画を作って天才と呼ばれるに至りました。確かにこんな映画が1968年に公開されていたとは驚きです。このブログを読んでいる方の中にも、当時はまだ生まれていなかったという方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

恐らくこの映画が存在していなければ、現在の映画も全く違った命運を辿っていたことでしょう。タイタニックを作ったジェームズ・キャメロン監督もこの映画を映画館で二十回近く観たそうで、恐らくこの映画が世に出ていなければ、ジェームズ・キャメロンが世に出ることもなく、ターミネータータイタニックと言った名作が産み落とされることもなかったはずです。

この映画にはもともとナレーションがついていたそうですが、キューブリック監督は映画としての芸術性が損なわれるということで、敢えてナレーションを全てカットしてしまったそうです。そのためこの映画は至極難解なものとなり、最初に公開されたときには興行的に大失敗してしまったそうですが、逆に芸術性を重んじたキューブリック監督の思惑はものの見事に成功し、この映画は芸術的な面において他の映画の追随を許さない素晴らしいものとなりました。

この映画の凄いところはセットです。2007年に生きている我々が観ても、この映画に出てくる宇宙船やロボットは全く古くささを感じさせず、むしろ現在の科学者、開発者ですらこの映画のデザインを参考にして宇宙船やロボットを開発しているのではないかと思わせられるぐらいです。もっとも、コンピューターの画面がフラットではなくブラウン管のように歪んでいるなど、ところどころに古くささを感じさせられる部分もあるにはありますが、将来のロボットのデザインを先見していたかのようなデザインが至るところにちりばめられ、ぼくのようなSF好きな人間の目を惹きつけてやみません。

映画を観る上で、ほとんどの観客はセットよりもストーリーを重視して観るのでしょうが、ストーリーの良さだけではその映画が歴史に残ることはできません。全ての面でリアリティがなければ、いずれ時代そのものがその映画を排除してしまうからです。そういう意味で、スタンリー・キューブリック監督は時代に排除されることのない比類なき天才でした。一つとして手を抜かなかった一途な努力のたまものでしょう。特撮技術にしても、この当時からしてみれば飛び抜けたものだったはずで、CGも何もない時代に、よくぞここまで無重力状態というものを見事に描ききったものだと今でも感心せずにはいられません。

ぼくはSF映画が大好きなのですが、早くこの2001年宇宙の旅を越えた宇宙映画が他に出ないものかと期待しています。

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2001年宇宙の旅


ブラックホークダウンという映画を観て、リドリー・スコット監督の映画を他にも観てみたいと思い、久しぶりにエイリアンを観ました。

この映画が公開されたのは1979年で、そんな古い時代にこのようなSF映画が作られたことはある意味で驚きですが、敢えて厳しいことを言わせてもらえば、この1968年にはSF映画の金字塔である2001年宇宙の旅が公開されています。それと比べると、どこか見劣りがしてしまうというのがぼくの素直な感想でした。

ストーリー自体は悪くないと思いますが、セットがどこか嘘くさいのです。リドリー・スコット監督はブレード・ランナーという映画も作っているのですが、この映画のセットもどこか嘘くさい。戦闘機などを鉄骨剥き出しのデザインにしてリアリティーを出そうとしているのですが、それが今となってはかえって嘘くさく見えてしまうのです。

現在の我々は車にしろ飛行機にしろ、時代が経つに連れてデザインが単純化し、洗練されていることを知っています。鉄骨剥き出しの複雑なデザインはどんどん影を潜めているのです。にもかかわらず、何年も先の未来で、何十年も前のブルドーザーのようなデザインの宇宙船が飛んでいるのを見てしまうと、やはりどうしても嘘くさく感じてしまいます。

1970年代に作られたのだから仕方がないと言えばそれまでですが、2001年宇宙の旅はこの点をうまくカバーしています。宇宙船やその他の機械のデザインはとてもシンプルで洗練されています。ところどころ液晶ではなくブラウン管の古くさいコンピューターが出てきますが、それを抜きにすれば、2007年に住んでいる我々が観ても、この映画に出てくる宇宙船の類はありだなと思います。

SF映画というのは、公開されてから何年か経った後に、機械類のデザインが嘘くさく見えてしまうという弱点を持っているのだなと改めて思わされた映画でした。(機械のデザインでもっと笑えるのは、トータル・リコールですけど……あれは、1990年に公開されたにもかかわらず、どの機械もまるでチンドン屋みたいに見えますから)そのほぼ十年後の1986年には、ジェームズ・キャメロン監督がエイリアン2を作るわけですが、この映画に出てくる機械類は今でも全く見劣りがしません。さすがリアリズムの巨匠ジェームズ・キャメロンと言わざるを得ません。

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エイリアン ディレクターズ・カット アルティメット・エディション