アニメ
言わずと知れた大友克洋原作の漫画AKIRA アキラを映画化したアニメ作品です。彼がデビューした頃、手塚治虫もその才能に感心するとともに強いライバル意識を抱いたというエピソードがあるそうですが、ぼくも最初にアキラという漫画を見たとき、その絵のうまさと発想の豊かさに驚かされ憧憬したものでした。日本のアニメが現在のように世界に流出するようになったのもこの作品の映画化がきっかけだったらしく、まさにアキラは日本のアニメの歴史を変えた記念碑的な作品と言えるでしょう。
確かに今から見てみると、この作品はどこか古くさく感じられる部分もありますが、超能力を持った少年少女の登場、メカニカルなデザインなどは今でも観ていてとても新鮮で、よくぞ二十年以上も前にこれだけの作品が描けたものだと唸らされます。今でも大友克洋氏は、スチームボーイやFREEDOMといった作品を次々に世に送り出し、精力的に創作活動を行っていますが、未だにアキラを越えた作品は出てきていないように思われます。
今ではアニメもコンピューターで簡単に作れる時代になりましたが、このアキラが制作された当時は一枚一枚の絵をすべて手で描いていたわけで、その制作には相当な気力と根気とを要したはずです。まして二時間ものアニメ映画を作るとなると、相当バイタリティのある人間にしかできなかったはずですし、そんなバイタリティに溢れた人間が集まっていたからこそ、当時は優れたアニメ作品が次々に輩出されていったのではないでしょうか。最近では、アニメというとすぐに「萌え」という言葉に結びつけて考えられがちですが、あの頃のアニメ制作者たちはなんとかしてアニメから幼稚というイメージを拭い去り、子供だけではなく大人にも受け入れられるような素晴らしい作品を作ろうと誰もが必死だったような気がします。だからこそ、宮崎駿という世界的な巨匠が生まれ、現在のアニメ産業のブームがあるのだと思います。
ただ、このアキラはいささかマニアックな部分があることも否めませんので、SFが余り好きでない方、アニメが余り好きではない方には余りお勧めできる映画ではないかも知れません。しかし、この映画には溢れる才能と圧倒的なパワーがみなぎっていますので、創造的な仕事をされている方、絵やデザインの仕事に関わっておられる方は、好き嫌いにかかわらず、右脳を活性化させるためにも一度は観ておいた方がいいのではないかと思います。

